活動記録
会員の広場

会員同志の交流やイベント、活動などをご紹介いたします。

病を克服して『広軽展』

平成24(2012)6月16日

朝日新聞や読売新聞でも報道されたのでご存じの方も多いでしょうが、このホームページに記録しておきたいと思い筆を執りました。

毎年、わが関東銀嶺会の総会・懇親会において、ご夫婦で司会進行を務めていただいている藤本徹郎幹事が、昨年6月の総会直後、急性骨髄性白血病に冒されていることがわかり都内の病院に緊急入院されました。

入院後は抗癌剤治療を受けながら、免疫力が落ちているため無菌室に閉じ込められた状態で、骨髄移植治療のドナーの出現を待つという生活が始まりました。十数万人に一人といわれるドナーをひたすら待つという入院生活がどれほど厳しいものか想像さえつきません。その間、抗癌剤の副作用の高熱に悩まされながら、「病院の窓から眺める朝焼けの美しさ、日々絶妙に変化する大空の筆舌に尽くしがたい優美な姿」(本人談)に感動し、絵筆を持ったことがないながらも何とか描いてみようと絵を描き始めたそうです。想いは窓外の景色から飛び出し、江戸浮世絵の東海道五十三次、目にした海外の街角、芭蕉や一茶の俳句の世界、童話の登場人物が遊ぶ絵本など140枚にも達したそうです。

幸いにもドナーが見つかり今年1月に骨髄移植の手術を受け、その後の経過も順調で無菌室から解放され、2月下旬に退院されました。まだ人ごみには出られず、通院生活は続きますが、退院報告を兼ねて描き溜めた絵の展示会を、6月1日から3日にかけて川崎市内のギャラリーで開催されました。


展示会の名前は『広軽展』。
浮世絵の歌川広重の名を借りた彼らしい命名。
同窓会仲間は勿論、会社関係や演劇をされている奥様の仲間など、ご夫妻の幅広い交友を反映して多くの人々が押し寄せて賑やかな会になったようです。

厳しい闘病生活の中でも希望を失わず前向きに生きるという彼の逞しい精神が他の病人の励ましになっているそうですが、同窓の仲間として誇らしく想います。
同時に一日も早い完全復活の日を待ち望んでいます。

藤本幹事を囲んで同窓会仲間(マスクをしているのが藤本幹事)

サービス精神旺盛に紙芝居を演ずる藤本ご夫妻